フッ素樹脂は、耐熱性、非粘着性、耐薬品性などに優れる高機能性樹脂の総称であり、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)とPFA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)はその代表的な種類です。
これらの樹脂を素材とするチューブ製品も、同様にこれらの特性を備えています。
PTFEとPFAのチューブは、基本的な特性は共通しますが、加工性や外観、コストに違いがあり、用途に応じて最適な選択が求められます。
Q1: PTFEチューブの特性と加工のポイントは?
PTFEチューブは、粉末を固めて成形される素材であるため、加熱しても溶融せずに焦げる特性があります。
このため、PTFEチューブ自体の溶着加工は基本的にできません。
ただし、PFA製の溶接棒を使用することで接続自体は可能ですが、PFA単独での溶着と比較すると強度は劣るとされています。
PTFEチューブは一般的に白色であり、透明性が不要な場合や、白い外観が好まれる場合に選ばれることがあります。
かつてはPFAチューブよりも安価でしたが、最近ではチューブ製品における両者の価格差はほぼなくなり、PTFEの価格が高くなったためとされています。
Q2: PFAチューブの特性と加工のポイントは?
PFAチューブは、溶融樹脂であるため、加熱することで溶けて物同士を接続する溶着加工が可能です。
この溶着性により、PFAチューブは曲げ加工などの高い加工性を持ち、高い気密性が必要な複合品や一体的な配管製作に適しています。
PFAの溶着継手では、PFAを射出成形した継手とPFAチューブを直接溶着することで、漏れの心配がない安全な配管ラインを実現できます。
これにより、緩みや増し締めが不要で、高い気密性と接合強度が得られます。 PFAチューブは透明度が高く、内部の液体の流れを視覚的に確認したい用途で選ばれます。
価格はPTFEチューブとほぼ同等ですが、溶着を伴う複雑な加工品では、その加工性の高さからトータルコストで有利になる場合があります。
半導体製造装置の配管、食品・飲料水ラインなど、液体の滞留防止や衛生性が重要で漏れが許されない環境での使用に活用されます。
Q3: 加工における選択の重要性と富士工業の対応は?
PTFEとPFAのチューブは、それぞれの特性と加工性の違いがあるため、用途に応じた最適な材料選択が極めて重要です。
株式会社富士工業では、PTFEやPFAを含むフッ素樹脂の溶接加工に対応しており、お客様の多様な要望に応えることが可能です。
例えば、PFAチューブをコルゲート加工した富士フレキ(シブルチューブ)は、スパイラル状の加工により液溜まりを防ぎ、通常のストレートチューブでは困難な極度な曲げや自由自在な配管を可能にします。
また、PFA被覆Oリングは、内部のゴム質が溶出する心配がなく、耐薬品性、純粋性、耐熱性に優れ、腐食性の強い薬剤を使用する半導体装置などのシール部分や、メンテナンスコスト削減が必要な用途で活用されます。
富士工業は、試作品から特注品、小ロットから大量生産まで柔軟に対応し、長年の経験と高い技術力でお客様のニーズに合わせた提案を行っています。