Q1: PTFEとPFAの溶接・溶着に関する基本的な性質の違いは何ですか?
PTFEとPFAは、フッ素樹脂の主要な種類であり、共通の優れた特性を持ちながらも、加熱時の挙動とそれに伴う加工性において明確な違いがあります。
この違いが、それぞれの材料の溶接・溶着の可否や方法に大きく影響します。
具体的には、PFAが熱で溶融する溶融樹脂であるのに対し、PTFEは粉末を固めて成形されるため、加熱しても溶融せず焦げるだけという根本的な性質の差があります。
Q2: PTFEの接合方法とその限界はどのようなものですか?
PTFE(四フッ化エチレン樹脂)は加熱しても溶融しない特性があるため、PTFE自体の溶着加工は基本的にできません。
しかし、PFA製の溶接棒を使用することで、PTFE製品同士を接続すること自体は可能です。この接続は完全な溶着とは異なり、PFA単体での溶着に比べて接合強度が劣るという限界があります。
そのため、PTFEは主に切削加工による単体部品として用いられ、強固な接合が不要な用途でのみPFA溶接棒による接続が検討されます。
Q3: PFAの溶着方法とその利点にはどのようなものがありますか?
PFA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)は溶融樹脂であるため、加熱によって溶けて物同士を一体化させる「溶着加工」が可能です。
この溶着性はPFAの大きな強みであり、以下の利点をもたらします。
高い気密性と接合強度
PFAを射出成形した継手とPFAチューブの直接溶着により、漏れの心配がない安全な配管ラインを実現し、非常に高い気密性と接合強度が得られます。
優れた加工性
曲げ加工などに優れ、複雑な形状や一体的な配管製作に適しています。
小型化・省スペース化
短い長さでの接続が可能で、装置や設備の小型化、省スペース化に貢献します。
透明性
透明度が高く、内部の液体の流れを視覚的に確認したい用途に適しています。
Q4: 溶接・溶着方法の違いは材料選定や用途にどう影響しますか?
PTFEとPFAの溶接・溶着特性の違いは、材料選定と製品用途に直接影響します。
PFAの選定
高い気密性、強固な接合、複雑な形状、透明性が求められる用途ではPFAが推奨されます。特に、半導体製造装置の配管や食品・飲料水ラインなど、腐食性の高い薬液の使用や、漏れが許されない環境では、PFAの優れた溶着技術が不可欠です。
PTFEの選定
PTFEは主に切削加工による単体部品、または溶着が不要で白色が好ましい場合に用いられます。かつてはPTFEの方が安価でしたが、現在ではチューブ製品においては両者の価格がほぼ同等であるため、新規案件では加工性の高いPFAが選ばれる傾向にあります。
株式会社富士工業では、接着が難しいPTFEやPFAを含むフッ素樹脂の溶接加工に対応しており、お客様の多様な要望に応えることが可能です。