株式会社フロウエル様は「フッ素樹脂継手」の製造メーカーとして、高品質な製品づくりに定評があります。富士工業とのお付き合いは30年以上。今回は日本の半導体業界を支えるフロウエル、勝手部長とグループリーダーの稲垣さんに富士工業の評価をお聞きしました。
■ さまざまな分野のハイテク装置を支えるフッ素樹脂継手の製造メーカー
― 最初に会社のご紹介をお願いします。
当社は、流体をコントロールするための小型流体部品の開発・製造・販売を行っています。主力製品はフッ素樹脂継手です。製品の用途は、主に半導体製造装置内の配管です。他には、液晶製造装置、理化学機器、医療・分析機器、食品工業機器などの分野にお納めしています。
製品には自社ブランドのカタログ商品とお客様からご依頼をいただく特注品があります。幅広いご要望に対応するために、協力企業様とパートナーシップを組み、質の高い製品づくりを心掛けています。
※フロウエル様では、委託先を協力企業と呼ばれています。
― 勝手部長はどんなお仕事をなさっているのですか?
財務購買という部署で経理と購買の担当役員として活動をしています。現場のことはスタッフに任せていますので、本日は財務購買部 購買グループの稲垣が同席してお話をさせていただきます。
― 稲垣さんはどんなお仕事をなさっているのですか?
購買グループのリーダーとして、製品の発注と在庫管理を行っています。当社には5000品目のアイテム、5万点のパーツがあります。市場の動向を読みながら、売れ筋商品を見極めて適正に在庫をすることが仕事です。他には、協力企業の選定、見積り依頼を行っています。スタッフ7名のグループとなります。
― 現在何社とのお付き合いをなさっているのですか?
大小合わせると20社ほどになります。半導体の業界は、年々競争が厳しさを増しています。国内の競争はもとより、海外勢の台頭が目覚ましい業界です。その中で日本の技術力を示しつつ、納期、価格ともにより高いレベルの製品づくりをしなければなりません。お取引をさせていただいている協力企業様は当社の品質基準を満たしていただいています。
■ 富士工業にしかできない難易度の高い加工を発注
― フロウエルさんと取引をするのは厳しい品質基準をクリアしないといけないわけですね。
高品質な製品をお届けするために必要なことだと考えています。当社のお客様からの品質基準も厳しくなっています。価格競争力、短納期化を含めて技術力の高い企業様とお付き合いをさせていただいています。
― 協力企業はどのように選定するのですか?
ご担当の方とお話をして、当社の要求品質に対応していただけるかどうかが基準となります。半導体のフッ素樹脂加工は、どんどん高い品質を求められます。誤差は0.01ミリ単位。他には見えない汚れの対策も大切です。
お取引に関しては、まずサンプル品を作成していただいて製品の品質をチエックします。その上で、工場の見学に伺って、継続して安定した品質の製品を供給していただけそうかを確認し、最終判断をしております。現場の整理整頓の状況や床のきれいさは品質と関係があるようです。
― 各発注先はどのように分けているのですか?
協力企業様それぞれの分野の強みを活かしていただけるような発注を心掛けています。各協力企業様の設備と技術力は当社の方で把握しています。例えば、複雑な加工や組み立てが必要な特注品に強い企業様。特定の加工を安価に対応くださる企業様、設備が整っていて、大量生産が可能な企業様など、各社特徴をお持ちです。
― その中で、富士工業には、どんな発注をなさっていますか?
富士工業さんでしかできない加工をお願いしています。フッ素樹脂の加工でも、主に特注品等の、加工が難しいものをお願いしています。富士工業さんは加工技術に加えて、加工の種類が多いことが魅力です。組立にも対応をしているので、ユニットで納品をしていただくこともあります。
また、フッ素樹脂加工の知識があることも強みだと思います。お客様からのご依頼で難易度の高い製品は、設計の段階から相談に乗っていただいています。
品質基準の低い製品はありませんが、特に難易度の高い製品は富士工業さんにお声がけしています。
■ 対応のよさで、30年のお付き合い
― 富士工業とのお付き合いのきっかけを教えてください。
当社の先代の社長と富士工業の先代の熊野社長とのお付き合いから始まったと聞いています。富士工業さんの創業からお取引をさせていただいています。本年で30年のお付き合いになります。偶然ですが、私(勝手)も熊野社長と同郷だったことを知ってから、ますますご縁を感じますね。
― これまで、お仕事をしてみての感想をお聞かせください。
富士工業さんは、対応力がいいですね。品質、納期、価格ともにフレキシブルに対応していただいています。よく会社にも来ていただけますし、フットワークが軽いです。
また、フッ素樹脂加工の知識も豊富なので、こちらがわからないことを相談しています。富士工業さんには勉強をさせてもらっています。
― 改めて、富士工業の強みだと思う点をお願いします。
1:技術力
加工の精度が高く、表面が美しいことが特徴だと思います。また、短納期に対応していただけることも高い技術力があるからだと思います。
2:価格競争力
当社もお客様からの引き合いで厳しい価格提示を受けることもあります。その場合は、複数の協力企業様にお声がけするのですが、富士工業さんだけが価格に対応していただくことはよくあります。
3:加工の種類
切削、溶接、曲げ、組み立てなど、加工の種類が多いため、ワンストップでの発注が可能です。
― 印象深いエピソードがありましたらお聞かせください。
短納期の製品を受注したことがあり、どうしても間に合わないので、熊野さんに相談したところ、富士吉田まで取りに行って納品をしていただけたことがあります。1度ではないと思いますが(笑)
正直、その仕事だけだと赤字だと思います。しかし、発注担当者としては、そうした期待を超えるサービスを忘れないものです。当社の強いパートナーとして心強く思っています。
■ 長いお付き合いのために、高い技術力の伝承をお願いしたい
― これからのビジョンをお聞かせください。
フッ素樹脂継手の業界1位企業とはまだ差があります。ですから、当社としての成長余地はまだまだ大きいと言えます。まずは業界1位を目指したいですね。そして、日本の品質を世界に届けたいと思います。
― これから富士工業に期待することをお聞かせください。
高い技術力を継承していただきたいと思います。フッ素樹脂加工というのは、最先端の機器に使われていますが、加工技術は職人技が重要になる仕事です。これから若い人を採用してさらに成長していっていただきたいと思います。キャパが増えれば、発注したい製品もありますから。時には厳しいことも言いますが、富士工業さんとは、今後もお互いの成長につながるお付き合いをさせていただきたいと思います。
― 最後に、フッ素樹脂の加工先をお探しの方にアドバイスをお願いします。
協力企業の見極め方は、フレキシブルかどうかだということだと思います。私どものブランドとして製品をお届けしていますので、検品体制は厳しく整えています。協力企業さんとは一心同体のつもりでお仕事をさせていただいています。
いい協力企業さんを持つことは当社の成長につながり、発注担当者を助けることにもなります。
対応力があり、高い品質の製品を安定供給してくれるプロの企業とお付き合いをすることをおすすめします。
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